2015-12-30

ニューヨークの生活事情について/グラフィックデザイン学科専攻のNAOさん(VIP2015年卒)

お疲れ様です、NAOです。

こちらニューヨークはクリスマスも終わりましたが、新年に向けて引き続きお祭りムードが続いております。

ブログ3連投の最終回となる今回は、これまでのテーマである授業・英語に続き、生活について留学生目線から思うところを書き綴りたいと思います。
生活といっても対象範囲は多岐に渡るため、食事・住居の2点に絞り話を進めていきたいと思います。


まず食事についてですがニューヨークは非常に高いです、アメリカで一番高いんじゃないでしょうか。GDPベースで世界第3位の経済大国である日本の首都東京の物価水準と比べても高く、感覚的には 1.2〜1.5倍程度。さらに 15〜 20%のチップ。。

主な食費のイメージは下記の通り。

・コーヒー                         $3.5

・卵                            $3.0

・玉ねぎ             $1.5

・ベーコン            $6.0

・ステーキ(外食)        $30〜

・ハンバーガー(非チェーン店)  $10〜

・ビール(外食時)                   $7.0 

・カクテル(外食時)         $10

・ラーメン            $15


尚、PARSONSの校舎があるUNION SQUARE近辺はマンハッタンでもそれなりにハイソなエリアであり、学校付近で昼食を取ると軽く$10以上、夕食を取ろうとすると $20ドル以上はいってしまうのではないでしょうか。
かくいう私は自費留学ということもあり、ギリギリの生活をしているわけでして、いかに食費をやりくりするかが留学生活の大きな課題の一つでもあります。
この4ヶ月のニューヨーク生活で辿りついた私のローテンションを恥ずかしながら紹介します。これで1日2回の外食でも $15/日に抑えられます。

① 自炊(レパートリー拡充要検討)

② 中華料理テイクアウト

③ ハラルフードのチキンオーバーライス (街のそこら中の屋台で売ってます)

④ メキシカンフード(ヒスパニックの居住地域の屋台にて)

⑤ 日本食スーパーの弁当(学校近くに日本食スーパーがあります。牛丼、カツ丼、そば、うどん、カレーetcが $6〜8で販売されています)


ニューヨークの食事事情として、日本の吉野家の牛丼、ココイチのカレー、コンビニスイーツ、花丸うどんのようにリーズナブルで美味しい(あくまでも個人的意見です)というものが圧倒的に不足しており、美味しいものを食べたい場合は、それなりの対価を支払わなければならず、コスパとバリエーションという観点で個人的に東京の方が圧倒的に優れているなと思います。


次に住居について見ていきたいと思います。
中国共産党幹部のご子息ご令嬢、中東の石油王のご子息ご令嬢でもない限り、世界一家賃の高い街と言われるニューヨークにおいて一人暮らしをするのはまず難しいかと思いますので、みなさん寮またはルームシェアを選択することになるかと思います。

寮の場合、 PARSONSが校舎に併設された学生寮を提供しておりますが、場所柄もあり$1500〜/月と少々お高めの価格設定となっております。ちなみに私の友人の一人は、ミッション系の寮に住んでいるのですが、マンハッタンでありながら$700/月ととてもリーズナブルな価格設定となっており探せばあるようです。

とはいっても、学生寮では選択肢も少ないため、私を含めたクラスメートの大部分は自分でルームメイトを見つけてルームシェアをしております。

ルームシェアの探し方については、ググれば種々の情報サイトが出てきますので、詳しい説明はこちらでは割愛させていただきますが、ニューヨークの不動産の相場観についてご参考までに主要なエリアを私の知る限りで下記します。

[マンハッタン]

学校から近く、洒落たバーやカフェのあるイーストビレッジは $1100〜、リーズナブルな価格でどうしてもマンハッタンに住みたい方はハーレム $700〜という感じでしょうか。

[ブルックリン]

日本の各種雑誌がこぞって特集を組んでいる、いわゆるイケてる”ブルックリン”はウィリアムズバーグをさしておりますが、近年マンハッタンから富裕層が移り住んでくるいわゆるジェントリフィケーションの影響により地価が高騰、 $1200〜が相場です。富裕層の流入により、押し出された形でお金のないアーティスト・デザイナー達はブルックリンの奥(東)のブシュウィックに流れております。僕もこのエリアに住んでおりますが、クリエイターの流入によりおしゃれな店が増えて開発が急ピッチで進んでおりますが、まだそこまで家賃も高くなく($600〜)おすすめです。

[クイーンズ]

すみません、よく知らないです。日本人がよく住んでいるエリアとして、アストリア($700〜?)、サニーサイド($700〜?)が人気でしょうか。

ちなみに治安については、上記に挙げたエリアであれば深夜に一人でぶらつくなどの行動を慎めば特に問題はないと思います。


食事事情に続いて恨み節になりますが、日本の住宅事情をご存置の皆様にとって、ニューヨークの住宅事情は中々厳しいと思います。
例えば、$1000払えば東京では、都心の繁華街の築20年程度の綺麗なアパートにて30平米のワンルームに余裕で一人暮らしをすることができるかと思いますが、ニューヨークでは床の傾いた小汚いアパートにて、ルームシェアをするのが精一杯という感じになります。



以上、食事・住居についてネガティブな側面ばかり述べる結果となってしまいましたが、それでも多くの人々を世界中から惹きつける確かな魅力がこの街にはあるかと思います。
かくいう私もまだ4ヶ月しかニューヨークに住んでおりませんが「楽しい」です。やはり、経済・文化の世界の中心地だけあり365日どこかで面白いことが起こっており、決して飽きることはありません。

3回にわたり、たて続けにニューヨークの留学生活について書き綴ってきました。振り返りますと、このPARSONS留学はコストという側面では非常に高額なものとなりますが、それを補って余りあるリターンが得られるプログラムではないかと思います。
来年の9月に皆様とニューヨークで会えるのを楽しみにしております。

それでは皆様良いお年を。
 

2015-12-27

PARSONS 留学生活における英語力について/グラフィックデザイン学科専攻のNAOさん(VIP2015年卒)


こんにちはNAOです。

只今こちらはクリスマス真っ最中ですが、エルニーニョ現象の影響もあり気温は現在17℃と冬の割に異常に暖かくとても過ごし易い気候となっております。

さて、本日は留学を検討されている方は特に気になる英語について、1ST SEMESTERを終えた上で感じたことを綴っていきたいと思います。あくまでも私の超個人的な意見ですのでそこのところ宜しくお願いします。


結論からいうと、PARSONS AASプログラム進学のための最低TOEFL取得必要点数61点(※ESL受講の条件付き、但し筆者の記憶によるので間違っていたらすみませんね)程度の語学力があれば学業を修める上では大きな問題はありません。

前回のエントリーでも述べましたがPARSONSの授業は、課題作成→プレゼン→批評で構成されており、極論すれば英語が必要となるのは下記の2点のみと個人的には思っております。

① 次の課題についての教授の説明を理解する局面

② プレゼン時に自分の作品を説明する局面


①については、その場でわからなくても、授業後に直接教授に聞いたり、後日メールで尋ねれば済むし、②については事前にプレゼンの内容を考えて本番はそれを暗唱すれば済むのでそれほど難しくはないかと思います。つまり上記を満たすためには、誤解を恐れずにいうと英語が流暢である必要はないんです。

一方で、批評、議論への対応はどうするんだというツッコミがあるかと思いますが、個人的に今学期の成績を見てみると、それらに全く参加できなくてもそこまで大きな影響はないのでは?と思ってます。というのも私は今学期、授業中の議論への貢献度は非常に低かった(とりあえず相槌の”uh-huhを連呼する)と反省はしておりますが、成績をみるとそれが致命的なダメージにはなっていません。やはりデザインスクールであるので、当たり前ですが作品の出来そのものが成績評価の大部分を占めるのです(もちろん最高評価のAを取得したい場合は議論への貢献度は重要なファクターだと思います、またFASION MARKETING専攻の方は議論中心の授業となり、上記の限りではないと思いますので悪しからず)。

また、日常生活を送っていく上でレストラン・スーパーマーケット等で使う英語はパターンも決まっているし、最悪ジェスチャーだけで何とかなるので高いレベルの英語力は必要ありません。

そうは言っても、授業中議論に参加できず時間が過ぎるのを待つだけなのも精神衛生上良くないですし、またクラスメートと仲良くなることも難しいかと思います。また日常生活でも語学力により、行動範囲が規定されてしまい、淡白な毎日になってしまう恐れがあります。

上記で述べてきた英語力を留学生活をサーバイブするための英語力とするならば、その次の段階の英語力は留学生活に彩りと楽しみを与えるためのものだと思います。こちらの能力の向上については時間が解決する(もちろんその間に相応の努力は必要です)と思っております。某サイトにて、この過程をうまく表現した文章がありましたので引用させて頂きます。

”はじめは聴き取れなかった携帯屋のアラブ人風店員の言っていることがなんとなくわかるようになり、スターバックスで注文の確認をされても理解できるようになり、アジアの留学生の英語なら聴き取れるようになり、相手が非ネイティブならコミュニケーションが取れるようになり、動画ならネイティブの言っていることがわかるようになり、最後はネイティブと普通にコミュニケーションできるレベルになるのです。”

ということでグダグダと述べてきましたが、とりあえず私が言いたいのは「行けば何とかなるよ!」ということです。今回のエントリーがこれから留学を控える皆様の不安を少しでも和らげることができたならば筆者としてはこの上もなく幸いです。

それでは皆様メリークリスマス。

2015-12-24

1ST SEMESTERを終えて/グラフィックデザイン学科専攻のNAOさん(VIP2015年卒)

初めまして、今年の8月からPARSONSにてGRAPHIC DESIGNを専攻しているNAOと申します。簡単に自己紹介しますと、日本の大学にて経済学の学士号を取得し、日本の電機大手の某企業にて営業、マーケティング、生産管理などの職種に8年間従事したのち、ふと神からの啓示があり、VANTANでの1年弱の準備期間を経て、現在PARSONSにてデザインのお勉強をしております。

つまり、純国産の日本人(すなわち英語力も平均的な日本人レベル)でデザインの経験も小中学校の図工・美術を除けば限りなく0に近いところからのスタートですので、本ブログが同じような境遇からPARSONを目指している方の参考になれば幸いです。

これから3回にわたりそれぞれ1つのテーマに絞り、初回のセメスターを修了した上で思ったことを綴っていきたいと思います。初回のテーマはPARSONSにおける授業についてです。

大前提として、良く言われることではありますが日本の学校教育とアメリカの学校教育のスタイルは根本的に大きく異なります。ご存知のように日本の学校教育は先生が宣ったことを生徒が粛々とノートに書き納めるという( ※私の大学時代の経験に基づくものですので悪しからず) 一方通行の教育スタイルですが、アメリカでは先生が生徒にしつこいくらい”WHAT DO YOU THINK?”を問い、生徒はそれに答え、疑問があれば質問するという双方向の教育スタイルです。

僕もそうですが、日本の教育をずっと受け続けてきた人間にとっては、自分の意見を求められることなどそうそうないので、面食らうのではないでしょうか。更に、当たり前ですが英語で全てがなされているため、そもそもどの話題について今議論がされており、意見を求められているかわからないことが多々あり、私もこの秋学期に、奥の手の笑って誤魔化したことが何度あったか定かではありません。これは日本にいる間は中々訓練することは難しいかとは思いますが、少なくとも意識だけは持って置いた方が良いかと思います。

ある日の授業風景

さて、個別の授業について簡単に振り返ってみたいと思います。前述の通り、私の専攻はGRAPHIC DESIGNで 今学期に履修したクラスは下記のようになります。
今学期は、私は週8コマとりました。物理的には10コマまで取ることが可能ですが、精神的、体力的には自分には8が限界でした。蛇足ですが、恥ずかしながら過去の大学生活4 年間で机に向かった時間よりも多くの時間をこのセメスターで過ごしました。。
授業選択の基準としては、過去の留学生からの口コミや、レーティングサイト(ratemyprofessors.com)等を参考にしましたが、こればかりは主観も入るため、運とご縁じゃないでしょうか。

結論から言うと、授業の構成はよく練られ理論と実践がちょうどいい塩梅でミックスされており、私のように未経験で、短期で力を付けなければならない人間には最適なプログラムでした。但し、学期中は脳をフル回転させている必要がありますが。


①GRAPHIC DESIGN 1(週2コマ、4単位)

グラフィックデザイン全般について、週2コマを割いて基礎をみっちり叩き込みます。
ポスター、Invitation、Brochure、ちらし、名刺、ブックカバー、スマホのアプリ、Holiday card、本など多彩なプロジェクトを短、中期(1〜4週間)で並行して進めていきました。   

②TYPOGRAPHY 1(週1コマ、2単位)

タイポグラフィーの基礎について学びます。初めの2回程度、座学的にタイポグラフィーの基本的知識を学んだ上で、実践(プロジェクト)を通じて理解を深めて行きました。

③PROCESS&SKILL(週1コマ、2単位)

その名の通りPROJECTの進め方について、1つのプロジェクトあたり3〜4週間かけて、プロトタイプ作成→フィードバック→修正→フィードバック・・・→ファイナルといった一連の流れを学びます。

④DIGITAL LAYOUT(週1コマ、2単位)

授業はWEBデザインをお題にして、ADOBE各必須アプリケーション(ILLUSTRATOR、PHOTOSHOP、INDESIGN)のスキル向上を図りました。

⑤DRAWING(週1コマ、2単位)

VANTANからAASプログラムに進む方は、既にVANTANにて取得済みの単位のため、必須ではありませんが、技術向上のため私は取得しました。

⑥ESL(週2コマ、3単位)

こちらは曲者なんですが、今年度からレギュレーションが変わったらしく、TOEFL79点以上取得していようが英語の使用に不自由なかろうが、全ての留学生はESLの取得が義務化されました(卒業のため6単位必要)。ESLのレベルは主に3段階あり、最初に受けるテストの結果により松竹梅のどれかに割り当てられます。厄介なことにそれぞれのレベルにより週のコマ数も異なる(松 週1、 竹 週2、梅 たしか週4)ため、PARSONS入学許可が下りた後でも出来る限り上のレベルになるよう英語学習の継続をお勧めします。


ESLを除いたどの授業も、基本的なクラスの構造は、前週に出された課題を持ち寄り、各学生が簡単なプレゼンを行った上で、先生・ クラスメートからCRITIC(講評)を受けるというものになります。英語が母国語でない我々にとって、このプレゼンとCRITICへの参加は大きなハードルとなります。事前に準備のできるプレゼンは何とかなりますが、即興的な要素が求められるCRITICへの参加は私もまだまだ十分と言えず、来学期への課題となります。

クラスメートについて言及すると、大体欧米人6〜7割、中南米1割、アジア2〜3割(インド含む)といったところでしょうか。男女比は1:9(または0.5:9.5)で、男子校・経済学部と男子比率の多い環境で過ごしてきた私にとっては中々適応の厳しい環境でした。。(ぶっちゃけまだ慣れてません)

そういった環境の中で振り返ってみると、日本人の武器の一つは勤勉さかなと思いました。授業に遅れない、宿題をしっかりやってくる、これら当たり前のことが当たり前のようにできるという意味では日本人は優秀かと思います(一部の学生は本当いい加減です、遅刻しているのに片手にスタバのコーヒー持ってます)。但し、語学的な問題もありますが、プレゼンテーション能力という意味ではやはり欧米の学生は一枚上手かなと個人的には思いました(宿題をやってこなくてもその場でイラスト描いて堂々と5分間力説している姿には軽くカルチャーショックを覚えました)。自分への自戒も込めて、今後はこちらの能力向上に努めていきたいと思いました。


我ながら硬い文章となりましたが、初回ということで勘弁してください。
次回は、英語をテーマにして今学期を振り返ってみたいと思います。

2015-12-19

1セメ終了!:ファイナルプレゼンテーション/インテリアデザイン学科専攻のATKさん(VIP2015年卒)

お久しぶりです。

パーソンズに入学して早3ヶ月。入学して以来、毎日課題三昧の生活になかなかブログの投稿に手付かずの状況でした...。ようやく昨日メインのスタジオのクラスのプレゼンテーションが無事終了し、一息ついたところで、一部ハイライトをお届けしたいと思います。

インテリアデザイン学科の1セメでは週2回のスタジオの授業があります。このクラスは日本の大学のゼミのようなもので、セメスターを通して大きなプロジェクトをいくつか制作していきます。

今回の課題は、ニューヨークに実在する建物を使って、クリエイティブ関係の仕事をしている2人のクライアントを自分で設定し、その人たちのためにWORKとLIVEスペースを兼ね備えた場所をリノベーションするというものでした。この課題でポイントになるのが仕事と生活空間というもの2つの関係性をどう落とし込んでいくのかということ、もう一つは今回与えられたスペースは一階と地下という構成で、もちろん地下には窓がないというこの状況をどう解決し、面白いものに展開していくかということでした。

外観
1階
地下

平面図

今回、僕が製作したものを手短に紹介します。

まず僕が今回選んだクライアントはA photographerとmagazine writerで彼らは自身でファッション雑誌を出版しています。

まず彼らにとって仕事と生活をするにあたってなにが必要なのかをリサーチするところから始まり、それからコンセプトを決めるためのアイディアを模索していきました。その過程で、プロカメラマンがスタジオで写真撮影する際に使う白いバックグラウンドの形に興味を持ち、これを空間に面白く適用できないかというところからデザインがスタートしました。


インスピレーション
アイディアスケッチ(初段階)

今回の一つ大きな課題である地下にどう自然光を落とし込むのかということと、換気の問題もどう解決するかというところを考慮した上で、大きなオープンスペースを取ることをまず第一に考えました。それから、今回のメインアイディアとして、床から天井にかけて曲線を用いることで、空間を広く見せることができ、曲線上に広がる光のリズムを体感できるということ。もちろんRの角度もその後計算し、写真撮影の際にも、この形をそのままバックグラウンドとして使えるようにしました。

平面図

WORKとLIVEの関係性の点では、横長上の建物の構造を生かし、プライベートなベッドルームとバスルーム以外の、ダイニングやキッチンといった共有スペースは、横方向に作業場と一体化させるかたちで全体のバランスとりました。そうすることで、互いにアクセスしやすいですし、せっかくこのWORK/LIVEの2つのスペースを同じ場所に組み込むなら、WORK VS LIVEというように仕分けるのではなく、SHARE VS PRIVATEという形で振り分けた方が2つが共有される意味があると考え間取りを決めました。


図解(WORK/LIVE)

3D モデリング(WORK/LIVE)

最後に、空間全体の壁と天井は白塗りのコンクリートで統一し、全体の調和を図ると同時に、クリーンなイメージで、1日を通して光の移ろいを感じられるそんな空間であって欲しいと意を込めて今回デザインしました。





大まかな要点だけではありますが、こんな感じでプロジェクトを進めていきました。

それからファイナルのプレゼンテーションでは他のクラスの先生方、建築家の方々やパーソンズの学部長などをお招きし、一人15分くらいで行われました。

プレゼンの様子
プレゼンテーションボードと模型

今は正直無事終わってただホッとしています。これから1ヶ月の冬休みに入るので一休みしてまた次のセメスターのためにしっかり充電したいと思います。

それでは次からはニューヨークでの生活の様子なども徐々にシェアしていきます。

ATK

2015-08-18

学生寮生活:留学開始から10週間で感じたこと/インテリアデザイン学科専攻のATKさん(VIP2015年卒)

こんにちは。8月も中旬に入り、もう秋に近づいていますね。NEW YORKでも猛暑が続いておりましたが、最近肌寒くなってきました。

前回のブログの最後で少し触れましたが、今回はサマースクールのESL+Dに入学してから約2ヶ月半を終えて、留学中の寮生活について少しお話したいと思います。あくまで一個人の意見ですが、参考までにご覧ください。

滞在するスタイブサント・パーク・レジデンス

THE NEW SHOOLの学生寮はマンハッタン内に数箇所ありますが、僕を含めた夏学期から留学中の数名のバンタン生は今回Stuyvesant Park Residenceという寮で生活しています。パーソンズ近くのUNION SQUAREまで徒歩10分圏内、ニュースクールESLの校舎まで徒歩20分圏内といった感じの立地です。

周辺環境も、寮の周りには飲食店やスーパーなどが沢山ありますし、学校へのアクセスも良いので便利な場所だと思います。寮内には、ガードマンがいてセキュリティもしっかりしており、あと気持ち程度ですがGYMもありますね。

寮内のトレーニングジム

寮費はサマースクール期間の10週間(約2.5ヶ月)で$3150です。この金額には、光熱費とインターネット代が含まれています。ただし、この値段は一つの部屋を二人でシェアする金額なので、決して安くはありませんし(汗)、実際には1つのリビングルーム&バスルーム、2つのベッドルームを4人で共有する形になります。僕のルームメイトは2人のアメリカ人(INTERNSHIP生)、1人の中国人(ESL生)でした。

ベッドルームを2名で共有

ここで寮に住む利点を数点あげておきます。

1. 学校まで徒歩圏内であること
朝からわざわざ地下鉄を使う必要がないのは正直大きいです。というのも、電車が止まることも珍しくないみたいですし、まだNEW YORKに来て間もない人には、地下鉄の利用はトラブルの元になりかねません。ここに来て日本の交通システムの素晴らしさを再認識しました。

2. NY生活の準備期間として
これは特にESLを受講する人にとってはオススメしたいポイントです。バンタンでのプログラム修了後からタイトなスケジュールで渡米、すぐにニューヨークでの物件探しはそれなりの気合と運が必要です。不慣れな生活環境に慣れるのも一苦労ですしね。数名のバンタン生は幸運にも?見つけることができたみたいですが、大変そうでした。こっちで個人的にも物件探しを経験しましたが中々すぐには決めがたいものですよ。

3. 英語の使用頻度
今回、これは僕が寮に住んで良かったと思った一番の理由です。良くも悪くもプライベートの空間はないので、英語でのコミュニケーションは欠かせません。僕の場合は、ネイティブがルームメイトだったので、英語を吸収したことをかなり実感しています。友達を増やすという部分でもとりあえず学生寮に入る選択肢は近道かもしれませんね。 


アメリカ式の寮生活は日本人にとっては馴染みがないものですし、やはり最初は迷うことも多々あるとは思いますが、2ヶ月半だけの期間で考えるなら僕の意見としてはおすすめです。ただそれ以上となると、ちょっとそろそろプライベートな空間がほしいな〜という風に思い始める頃だというのが本音なところですね。実際のところ、同じ金額をだせばマンハッタン内でシェアルームでも一人部屋を持てる可能性は充分ありますし、あとは個人の考え方次第といったところでしょうか。 

先日、ESLのプログラムも無事に修了できました。そして8月末からスタートの秋学期から、いよいよパーソンズ大学でインテリアデザインを学びます!長いようで短い時間でしたが、良くも悪くも色々なことがありました。次回の記事では、ESLを振り返ると同時に、これからのパーソンズ留学までの流れや新たな情報がありましたらシェアしようと思います。 では。


2015-07-06

サマースクールESL+D:オリエンテーションから授業開始1ヶ月目レポート/インテリアデザイン学科専攻のATKさん(VIP2015年卒)

更新が遅くなりましたが、ニューヨークへ来て一ヶ月が経過しました。ようやく生活環境や学校にも慣れてきたところで、オリエンテーションの様子からESLの内容をレポートします。  


【オリエンテーション
5/28-5/29と2日に分けてオリエンテーションが開催されました。

1日目はNEW SCHOOLのポリシーやルール、アメリカという国について、 ニューヨークでの生活についてのアドバイスといった内容でした。

2日目は実際に多国籍の学生達とグループを組み、簡単なゲームをしたり学校の中を探索するといった感じです。その後、アメリカらしくピザパーティで交流会をしたのち解散でした。

留学生は中国人60%, 韓国人10%, 日本人10%, その他(ドミニカ、台湾など)20%くらいの割合です。  

【ESL】
6/1から授業が始まり、THE NEW SCHOOLのESLではLEVEL3-6の構成で、このPARSONS AAS PROGRAMへの入学条件はLEVEL5をPASSしなければなりません。尚、レベル5からはLISTENING/SPEAKINGかDESIGNクラスのどちらか選択で受講できます。今回、自分は英語を集中的にやりたかったのでL/Sクラスを専攻しました。ちょうど、今週MID TERMで中間テストが終了したところなので、各クラスの詳細を少しお話しします。  

- GRAMMER(LEVEL6) -
グラマーのクラスでは時制から始まり日本の英語教育で習ったような順番で文法を学んでいきますが、今まで曖昧だったところをピンポイントでより詳しく実践的に学んでいます。授業中はやはり自分の意見を求められることも多く、そこも評価の基準になっているようです。英語の文法を英語で学ぶのは遠回りに聞こえますが、もともとロジカルに日本語で考えるほうが自分には難しく、英語だともっと感覚的に学べるのでより効率良く身についてきてる実感があります。宿題も中々多く、その大半はその日の復習の課題で、次の授業の最初にまた確認をするので、アウトプットまでしっかり考えられた授業構成だなと今のところ感じています。

 - LISTENING/SPEAKING(LEVEL5) -
この授業は実際にはスピーキングがメインです。授業内でトピックが与えられ、それに対する自分の意見をまとめて述べたり、グループでディスカッションを主に行っています。宿題でもプレゼンテーションの課題が多く出されます。内容も日常会話のようなものではなく、どちらかというとアカデミックよりで個人的には難易度が高いと感じますね。しかし、僕も含め、英語を喋り慣れていない環境で今まで育ってきた人たちには、すごく良いレッスンになると思います。  

- WRITING(LEVEL5) -
ライティングでは文の構成や、細かいところの内容の展開方法など基本的なところから触れていきます。他にも、接続詞などの正しい使い方なども一つずつ確認しました。宿題は毎週ジャーナルエッセイが2つ、あとは隔週で決められたトピックのエッセイがプラスで出題されます。これらの宿題は評価の判断基準に大いに関係しているのと、やはり母国語ではない言語で文章を書きまとめるのは容易いことではないため、エネルギーと時間は結構使いますが力は着々と身につくのではないかと思います。  

- READING(LEVEL5) -
リーディングのクラスでは出題されたトピックの中ですばやく内容を理解する訓練から始まり、その後は数をこなしていく中で、グループで内容や単語の確認したりという授業の流れです。他にもトピックを通して、お互いの国の考え方や文化の違いを学んでいきます。この授業の宿題は、最初に購入したあるコミックの内容を読み進める中でオンライン上でクラスメートとディスカッションするといったものと、単語練習あとは予習復習がメインです。リーディングは受け身なものなので個人的には一番気持ち的にも気楽です。(内容は決して簡単ではありませんが...)  

- Tutoring -
チュータリングはアディショナルの授業で、先生から受けた方が良いと個別に提案されて受講している人もいれば、自ら受講している人もいます。どちらにしてもチュータリングはタダで受講できるのでやる気と気力があればオススメです。僕は出足が遅れましたが、来週から発音の授業に参加予定です。


ESLは基本的に月〜木と週4回なので、比較的に週末は自分の時間も充分あり気分転換に外へ遊びに行くことも可能です。しかし週末の課題は結構多いですが...。

ちょうど今ESDの中間を終えての感想は、こっちへ来てパーソンズに入学する前に色々と考える時間と準備期間もありますし、海外の生活と英語にも慣れるという意味でも来てよかったなというのが正直な意見です。

あと、New SchoolはParsonsの他にもMannas(ミュージック)などの大学があり、そこを目指している人たちと友達になることも一つの自分の中ではプラスになっています。 次回は寮での生活を詳しくシェアできればと思っています。では!

2015-05-24

留学へ向けて。/インテリアデザイン学科専攻のATKさん(VIP2015年卒)

こんにちは。初めまして。VANTAN VIP PROGRAM 15' 卒業生のATKです。今年6月からESLを受講し、9月よりパーソンズに入学予定です。パーソンズではインテリアデザインを専攻します。これから数回に分けて渡米までの手続き、ESLのオリエンテーションの様子から授業の内容、NYでの生活などシェアしていければなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは早速ですが今日は渡米までの手続きの話をしたいと思います。VANTANでのプログラムが終了して早いもので約2ヶ月が経ちました。こんな言い方をすると語弊を生むかもしれませんが、VANTANでのプログラムを終えてからのこの手続きが結構大変でした... (汗) というのも、ESLを受講するメンバーはビザまでの発行に時間がほとんどなく機敏に動かなくてはなりません。

初めての学生ビザから大学への入学手続きを進める人にとっては、わからないことだらけだったということと、書類類のほとんどは英語で尚且つ失敗が許されない状況だったため結構エネルギーを消耗しました。そして、先週無事にビザを受け取り今に至っております。

ここで振り返りながら、手続きの大まかな流れを参考までに。

まずパーソンズ側からの合格書(ESL組は時間がないのでESLの物で代用)届きましたらI-20の申請をするところから始まります。I-20とは在留学証明書のことで、この申請にはパスポートのコピー、残高証明書など数点の書類が必要です。申請後、2週間以内くらいで原本がパーソンズより郵送で送られてきますが、それからJTBさんを通してF-1ビザの面接予約〜発行というのが流れです。

ザクッと書きましたが、この発行の過程で用意しなければいけない書類は結構多く、とにかく時間がなかったので戸惑いました。

航空券の予約も渡米2週間前にとるのがESL組にとって毎年恒例のようですw パーソンズへストレートで9月より入学する方はもう少し余裕をもって準備を進められるとは思いますが、いずれにせよ大体ビザが発行されるまでに個人差も多少ありますが1ヶ月半前後といったところだと思います。

やはり初めて留学をされる方や、英語に少しでも不安がある方にとっては、これを一人でやろうと思うとすごく大変だと身を持って実感しました。しかし、今回VANTANの仲間がいてお互いに情報交換や、助け合いがあったので無事にスムーズに終えることができました。このバンタンとパーソンズの提携のプログラムはデザインに関して事前に日本で学べるだけでなく、たくさんの人が不安を抱える海外留学についても色んな面でプラスになると思います。


さて、いよいよ今週NYに向けて出発します。僕にとっては人生で3回目の留学になります。最近読んだ本の中に「他人からインスピレーションを得る方法を学ぶ」という話があり、これが自分にとって今回留学する意義だなと共感しました。これからまたたくさんの人と出会い、その中でまたなにか得るものがあり、そして自分の中で意識的に次へつなげていきたいです。

そして次回はオリエンテーションの様子についてお伝えできればなと。今後、ESL期間中は寮に滞在予定のため、寮での生活や食事のことなども合わせて、授業内容のことも詳しくシェアしていきますので、どうぞお付き合いよろしくお願いします。

それでは!

ATK

2015-05-17

NYの生活事情(家、携帯、銀行)/グラフィックデザイン学科専攻のNIREさん(VIP2013年卒)

お久しぶりです。

今まで学校での授業ことばかり書いていたので、NYのいろんな事情をまとめておきます。今からNYに来るvantan生と、留学を考えている方の実質的な参考になればと思います。あくまで個人的な経験・視点からですので悪しからず。


まずNYに来るときに最初に大変な3つ、住居・携帯・銀行のことです。

<部屋さがし>

私個人の部屋は6畳くらい
共有のリビング











NYの学生はルームシェアが主流です。一部屋は自分だけのプライペートスペースで、バス・トイレ・キッチン・リビングは共有といったかたち。2、3人でシェアが多いですが、例えば5、6人でシェアしてバス・トイレが2つずつあるところもあります。
探すときには1人で空き部屋を探す場合と、友達2、3人でシェアできるアパートの1室を探すパターンがあります。

私が利用したJCSAは、基本的に1人で空き部屋を探すパターンです。最初に探す場合はやっぱり日系の不動産に頼むのが安心かと思います。日系の不動産に部屋を出しているところは、オーナーさんもシェア相手に日本人を望んでいることもあり、トラブルになりにくい気がします。手数料は最初に500ドルほどでした。

ほか有名なところで
タイチ不動産(主に友達と一緒に部屋を探す場合)
add7(日本語掲示板、自分で連絡をとって探す、短期などの場合に特に便利そう)

あたりで見てみるといいと思います。

量でいうとアメリカのサイト・クレイグリストなどは部屋が沢山あっていいのですが、騙された人も見たことがあるので、最初はやめたほうがいい気がします。


ルームシェアの場合は値段は$800〜1300くらいでしょうか。
マンハッタン内の清潔なお部屋で1000以下で見つけるのはかなり難しい感じがします。
値段重視ならクイーンズ・ニュージャージ・ハーレムは、少し遠いものの1000以下でいいものがありそうです。
ひとり暮らしをしたいとなると値段が$1600〜2200くらいなイメージです。

真剣に部屋を探し始めていろんな家を見て回ると、ほとんどの人が2週間以内で決めています。1週間、10日でも見つかると思います。
ちなみに月はじめから探す方がいいのが出ていそうです。


◎学校の寮は?
友達を作るのとアクセスの良さでは最高ですが、プライペートスペースがない場合が多く(寝室もシェア)、ルームメイトとそりが合わないときついかも。
私は最初寮に入ったのは英語の面では良かったですが、値段も1300とかするので、長期で寮はしんどいと思いました。



<携帯>

i-phoneのみか、プリペイド併用するか









日本から海外用を持ってくるなどはせず、現地で調達がいいです(短期留学除く)。


日本の留学生を見てるとほぼ2パターンのみで、
①現地で i-phoneを購入
②日本から持ってきたi-phoneはwi-fiのみで使い、別に安いプリペイド携帯を買う

①だと、最初に機種代が$500くらいかかり、月額が$80くらい。
また私たちはSocial Security Numberがないので信用代デポジットがかかりました(verizonは400くらい)。デポジットは1年後に返金されます。基本、2年契約。

②wi-fiは日本よりずっとあります。学校にいるときはwi-fiつなぎっぱなしにできるのでこれもありかも。プリペイドは初期価格は不明ですが(安いと思う)月額$30-40くらいみたいです。この方が値段的にはずっと楽ですが、外出するときに街中でgoogle mapやネットが使えないのが痛いので、①の方がずっと便利。特にアメリカ国内旅行の時は不便そう。

携帯会社は日本より多く、安いプリペイドは沢山ありますが、安いものだと電波が通ってない場所も多いので、T-mobile, AT&T,Verizonあたりで探す方がいいのではと思います。



<銀行>

日本ではなじみのないchase(チェイス)







銀行口座もこっちに来てすぐに開きましょう。



Chase, City Bank,  Bank of Americanの3択になると思います。
私はChaseに口座を開いていますが、Chaseのいいところは、マンハッタン内だと多分一番支店が多く、お金を出しやすいです。
多くの人は日本から送金してもらうことが多いと思うのですが、それぞれの手数料については私は分かりかねるので調べてください。

NYでは現金で支払うことが少なく、ほとんどカード払いです。
銀行のカード(checking accounnt か credit)、または日本でも使っているcredit card(visa, master, American Express)で支払う事が増えると思います。日本からカードも2種類以上持って来といたほうがいいです。授業料もカード払いが主流なので、還元率のいいカードにしておくと得です。

◎日本で準備していって便利だったこと
新生銀行にお金を入れておくと(私は$で入れた)、海外のATMで取り出しやすいです。ただ1日$700程度しか取り出せない(手数料は$3ほど)ので大きいお金は動かせないですが、何かあったときに便利しました。



<学校まわりの便利マップ>

学校まわりで今後使うことになるであろう、場所を簡単にまとめましたので参考にしてください。A4でプリントアウトして見ながら歩いてもらうと、とりあえず必要なものが手に入る場所がわかると思います。
赤文字が学校の施設。緑が授業に必要になるであろう書店・画材屋さん、黒は生活用品や飲食店などです。







   

2015-03-09

インターン・授業履修へのアドバイス/グラフィックデザイン学科専攻のNIREさん(VIP2013年卒)

3月も2週目に入り、ようやく春の雰囲気が出てきたNY。
やっと氷点下の世界から抜け出せそうです。先週は大雪でした。
私的にはNYは5月と10月が最高だと思っていて、この2カ月の美しさのために数ヶ月我慢するのも仕方ないというくらい。


さてパーソンズを卒業してしまったので、終わったからこそできる現実的なアドバイスをしたいなと思います。


まずインターンについて。
私は最後・3セメ目の9月〜12月までNEW MUSEUMのエキシビションのカタログをつくるというプロジェクトで有給インターンをしていました。
先生からメールが回ってきたものに申し込み、面接をして受かったというかたち。
英語はイマイチなものの日本にいた時に雑誌の編集者だったのが有利でした。

実際に刷りおわったもの。エキシビションは現在開催中〜5/24/2015

インターンを探す時はindeedやニュースクールのcareerのページが王道ですが、公にオープンなものは応募数も多いだろうし、有給のものは特に人気があります。なので先生からのお話があるなら、それが一番だと思います。
今も先生の知り合いづたいにフリーランスのお話をもらったりしています。

インターンをどうやってゲットするかということは学生にとって常に心配の種で、学校でも「インターンしたいんだけど…」という会話もよく聞くし、後輩からも相談されたりするんですが、正直いうと、私は他の人ほどインターンを重要視していません。私がインターンもした上で思ったのは「するにこしたことはないけど、授業の方がずっと大事」ということ。これは私が既に社会経験があるから言えることですし、NYに来た目的によると思いますが。ちょっといろんな側面から比較します。


インターン VS 授業









◎お金の面
有給のインターンをゲットできたとしても大体時給$15くらい。一方パーソンズの授業料はというと、1回2時間半の授業が大体$230!インターンで少しずつ稼いでも到底返せないお金払っているんだから授業に影響でるくらいならインターンは卒業してからでいいと思う。(この計算をしていたので絶対に授業休まなかったです…)


◎実際学べること



















インターンで学べるのは、仕事がどういう風な流れでできあがっていくかをリアルに見れる経験と、作業をスピーディにこなすために必要な技です。上のカタログを例にすると、まずアートディレクターがフォーマットを決め、私がそれに沿う形で写真のセレクト(必要あらばレタッチ)、レイアウト、原稿の流し込みなどそれ以後の過程を全てするというもの。十分いろいろ学ばせてもらいましたが、とはいえ「こなす」作業です。良かったのはIn Designの知らなかった機能をいっぱい知れたこと。これはとっても役に立ち、実際に他の場でつくるもののクオリティも変わってきたかも。
インターンを例えるなら、何かものを作る時にハサミとかノリとかのToolをもらう感じ。技と経験、大事です。「雇ってもらう人」になるためには必要。
ただこれは、仕事を始めたらいずれ学べることだと思います。そしてToolばっかり持っててアイデアのない人はただの便利屋になってしまう恐れもあります。

一方学校では実社会とは関係のない所にあるクリエイティビティのほうが好まれるかもしれません。自分の表現の仕方を掘り下げ、可能性をひろげること。「技」より「考え方」を練習させられるかんじです。
「こなす」のではなく「消化し、生み出す」時間のかかる作業。
この土壌を耕すような練習は仕事を始めたら忙しくてなかなか取り組めることではないです。
学生だからクライアントやマーケットも関係なくできるデザインがあって、そういうものの方が良かったりする。ものを作る人同士はそういうことをよくわかっています。

最近前職の出版社で尊敬していた編集長と久々に連絡を取ったのですが「とんがっててね」と言われて。ああ、ものを作る人が言うことだなあ、こういう上司が最高だなあと思ったのでした。そういう人の元で働けるのなら別ですが、一般論ではクライアントのある仕事においては、差し障りのないクリエーションになりがちです。


半年先に仕事をゲットしていたい、と焦るからインターンしなきゃと思うんですが、10年先にやっていたい仕事のことを考えると、自分の可能性を広げておくことは有意義です。
インターンという「経験」を望む気持ちも分かりますが、一度社会に出た人間からすると、学校で学ぶという方が得難く貴重な経験です。どうせこのあと一生働きますし。焦らずに。




◎コネをつくるという点
もちろんインターン先で素晴らしい出会いはあると思います。ただParsonsの教授をやっている人より社会的にも地位があるデザイナーってそうはいないです。先生とコネを作るのがベストでは? それなら授業をがんばって信頼関係を築くのが大切です。



但し、ここまで書いておいてなんですが、「OPTの後もNYに住む」というのが優先順位1位の人にとっては、とりあえず「雇われやすい人」になっておく必要があるので、働くことの重要度はグンと上がってくると思います。あと作ることよりビジネス指向の人も。2セメ目の終わりかけくらいの時期にNYでの目的に順位を再設定すると良いかもしれません。




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授業履修について

1〜3セメの時間割です。参考になれば。


私が授業が有意義だと思えたのは、注意深くクラスを選んでいたからだと思います。いいクラスを選ぶのも自己責任です。「この授業がおもしろくない」「先生がよくない」という愚痴は不毛です。不安があれば最初の授業で見極めてクラスを変えるべき!
ちゃんと何を基準に授業を選ぶかの決めて、緊張感を持つ方が吉です。

私の場合1セメ目の基準は、クラスの時間帯と先生の評判。

パーソンズAASの授業枠は2015年spring semester現在
1コマ目:9時〜11時40分
2   :12時10分〜14時50分
3   :15時50分〜18時30分
4   :19時〜21時40分      です。


Graphic Designとかタイポグラフィなど必須の授業は大体3、4コマあり各定員が15-18人ほど。早いもの勝ちなので人気の授業から埋まっていきます。とにかく履修登録が始まる前からリサーチして始まったら即刻レジスターしましょう。


1セメ目は慣れるまでに時間がかかるるだろうと思い、朝型の生活を保つため、夜19時〜の授業は選択肢にいれませんでした。1日に2つ以上はとらない、英語が不安なので講義系の授業は2セメ目以降にまわす、と決め14単位にしました。

先生の評判はRate My Professorというサイトで見たり、ParsonsのHPに掲載されている先生の説明を読む+ポートフォリオを確認し本当に良さそうか要チェックです。
先生のことを嫌いになったり舐めだすと絶対いい学びにはならないので、このリサーチは絶対した方がいいと思います。
でも1セメ目に関しては私は2つの授業は失敗しました。先生のことを尊敬できず適当にやったり逆に無駄に苦労したり。
その失敗をもとに、2学期からは先生を優先順位1位にしました。


2セメ目、先生や友人、先輩にオススメの先生を聞きまくって決めました。先生がほめる先生は間違いがありませんし、パーソンズAASで長く教えている先生は安定感があります。
その中でも
A. 絶対とりたい授業 B.とっておいた方がいい授業 C. 犠牲にしてもいい授業
とランク付けします。とりたい授業が同じ時間にあったり、オンラインしか選択肢が残っていないこともあるからです。
この結果、月〜土まで毎日1(or 2)クラスずつ+1クラスはオンライン=計17単位。
日曜しか休みなし、という、結構極端なスケジュールになりましたが、このスケジュールが私にはとても合っていて、毎日淡々とやることができました。また夜7時からのクラスが朝9時からより体力的に楽だとわかりました、夜型人間なので。


3セメはシンプルに2セメ目までの良かった先生の授業を再度とり、プラスその先生の助言に従って他の必須科目をとりました。卒業に必要な単位より6単位ほど多くなりましたが、取ってよかったです。


厳しい先生、優しい先生、コンセプトを大事にする先生、技術を教えるのがうまい先生、評判が良くても自分には合わない先生、人気なくても自分には合う先生…いろいろいますが、この人から学びたいと思える人を選ぶのが大事です。ここを見ている人でAASグラフィックに進む予定の人は、知っている限り教えるのでぜひ聞いてください。




人それぞれ目的が違うので一概には言えないですが、以上が私が思う切実なアドバイスです。



2015-02-12

PARSONS卒業/先生・教育について/グラフィックデザイン学科専攻のNIREさん(VIP2013年卒)

はやいものでもう3セメが終わり、PARSONS AAS グラフィックデザインコースを卒業してしまいました。5年分、10年分の重みのある、人生を変えた1年半でした。出会えた人達も、学んだことも。

卒業してから気持ちがふわふわしたところがあり、なかなか書けなかったのですが、そろそろまとめられそうなので数回に渡って書こうと思います。
まず卒業時に私が持っていた感覚を、お話しします。

なお、3セメ目の授業内容についてはパーソンズのweb(英語)に私の記事が出ているのでそちらもぜひご覧ください。
vantanのブログで日本語訳をしてくれています。


 


光栄なことに、卒業式でスピーチをさせていただきました。
私は1人目のstudent speakerだったので先生方への感謝を伝えたいと思っていました。
というのも私にとってPARSONSに行って一番良かったのは先生との出会いだったからです。もちろん同級生達もだけれども、一番は先生。
27年日本にいて1人しか見つけられなかった「この人から一生学びたい!」「こんな人が世の中にいて良かった」と思う人に、1年半で3人も会えました。ミラクルです。
これはアメリカでは(少なくともPARSONSでは)まだ先生という職業が本当に知的従事者で、与えることが好きな人達(ここはとても重要)であるこという所も大きく影響していそうです。あと技を教えることに終わらない、人の能力を信じる人だということ。
教育について考えることの多い1年半だったし、先生という職業の素晴らしさを知りました。それは生徒を通して直接未来を作る、最もクリエイティブな仕事かもしれないと、思います。



このブログにも何回も出てくる、トム先生!は、まさに理想の(どれだけ言葉を尽くしても言い表せない程の)先生です。









卒業式のスピーチ原稿を書いている時にどうしても伝えたいと思っていたこと。
それは私が実感としてここ3カ月くらい感じていたことで、「パーソンズで学ぶこということは、自家発電機を体内に設置されるようなかんじ」だということ。

ものを作る人は誰しもinputとoutputを繰り返してると思うのですが、忙しくなるとoutputに偏りがちになり、アイデアもクリエイティビティも枯渇していくことが多いです。自分が擦り切れていってしまう感覚。そんな時、普段は外界からinspirationを取り入れるのですが(私の場合アート・本・音楽)、もし自分の内部にある油田みたいなものを掘り起こすことができるようになると、外界からのinputをせずともある程度self generateできるようになる、ということを体験できたんです。
外から受けたinspirationをoutputしていく場合、一度ごくりと飲み込んでから体を通過させて出す、という感覚。そこで起こるのは「消化」や「濾過」(もちろん時に素敵な化学反応もおこりますが)。行程としてはchooseしていく、所謂problem solvingとしてアウトプットになります。

一方、自分の中の油田から掘り起こす時というのは、まさにシャベルで自分の興味を「発掘」して「開発」させていく作業で、それはもはやデザインの範疇を超えてはいるのですが、長期間にわたり自分の創造のテーマにできるものです。


自家発電できたと思ったプロジェクトを1つ説明します。

Graphic Design3の授業のBook Project、テーマは与えられたリストの中から選びます。
そのリストにあるものがまず変わっていて、
嫌いな食べ物/イラク戦争/ジョージブッシュの伝記/ビートルズのホワイトアルバム/好きなテレビシリーズ/NYCガイドブックなどなど。
私は「ベートーベンの第九」をテーマに選びました。

親がクラシック音楽をしているので、私にとってもクラシック音楽はパーソナルなものです。まずは楽譜を読み始め、そして「楽譜ってinfo-graphicだな」と今更気付いたんです。音程とリズムを表すルールを作ったら新しい楽譜って作れるんだ、と思い立ち、音楽の世界観を可視化したビジュアルになるように形や色を練りながら、システムを構築。全く新しい楽譜を作るという挑戦をしました。


















左ページがシステムの説明(ドは紫で、レは緑で…等)、右ページが新しい楽譜です。5種類作りました。
有名な16小節のみをvisualizeしています。私のポートフォリオだともう少し詳しく見れます。ちゃんと理解するには結構時間がかかるかもしれません。

このプロジェクトは、リサーチにも時間をかけ、自分なりに音楽に宿る精神を深く掘り下げて、オリジナルのアプローチができたと思っています(クラスメイトに「どうやってこんなことを思いつくの…?」と聞かれましたが)。
やはり自分が心から感動できたものに対しては、この感動を伝えたい!という気持ちがモチベーションになり、熱心になれるものなのです。

思えば音楽をどうビジュアル化するかということには長く興味があったのです。
また私の現在の興味のひとつ「共感覚」というものも関わっています。
私は音楽を聴くと色やビジュアルが浮かんでくる、共感覚と呼ばれるものを持っているんのだと確信しているのですが、それをどのように生かせるか、試行錯誤していました。


自分がどういうことに興味があって、どういうものに感動するか、ということをどこかで注意深く観察しながら、掘り当てていく。そして「どんな風に出来上がるんだろう!?」とワクワクしながらやる。するとself-motivatedした状態でやっていけます。
PARSONSの先生は、その俯瞰能力を私たちに意識させながら(君はどんな風に世界を見ているの?とトム先生に散々聞かれた)、「自分がエキサイトできるものを作りなさい!」と言っています。
自分でエネルギーを生み出しながら進んでいけるような能力を、インストールしてくれたんだなあと、思います。その能力があれば創作で一番大事な「自分自身に飽きない」ということもできるのです。


トム先生が言っていました。「多くの先生は生徒に魚を与える。でもそれでは先生がいなくなってはその生徒達はまた飢えてしまう。僕はどうやって魚を釣るかを教えたいんだ」と。そしてまさに魚の釣り方を教えてくれました。

またタイポのニックス先生は「一番大事なオリジナリティという部分において、先生は無力だ。教えることができない。生徒が自分のやり方を見つけていくのを、どうにか導きたいが、それは結局自分でdevelopしていくしかない」と。

ニックス先生は本当にすばらしく個々の生徒に愛を持っていて、惜しみなく与えてくれる先生なのですが、その人が先生の無力さを語ったというのは、ある意味感動的でした。

先生達がどのようにstruggleして今の地位を築き(そこまでにはやはり人並みはずれた努力があり)、何にどのように情熱を燃やし、愛を注ぎ、何を私たちに本当に教えようとしているのか。言葉の端々に滲みでる思いをできるだけ取りこぼさないように、心で聞くようにしていました。
それはデザイナーとしてではなく1人の人間として幸せに生きていく大事なヒントになるうるものばかりでした。


本当にすばらしい先生方に出会えて幸せです。


続きます。