つまり、純国産の日本人(すなわち英語力も平均的な日本人レベル)でデザインの経験も小中学校の図工・美術を除けば限りなく0に近いところからのスタートですので、本ブログが同じような境遇からPARSONを目指している方の参考になれば幸いです。
これから3回にわたりそれぞれ1つのテーマに絞り、初回のセメスターを修了した上で思ったことを綴っていきたいと思います。初回のテーマはPARSONSにおける授業についてです。
大前提として、良く言われることではありますが日本の学校教育とアメリカの学校教育のスタイルは根本的に大きく異なります。ご存知のように日本の学校教育は先生が宣ったことを生徒が粛々とノートに書き納めるという( ※私の大学時代の経験に基づくものですので悪しからず) 一方通行の教育スタイルですが、アメリカでは先生が生徒にしつこいくらい”WHAT DO YOU THINK?”を問い、生徒はそれに答え、疑問があれば質問するという双方向の教育スタイルです。
僕もそうですが、日本の教育をずっと受け続けてきた人間にとっては、自分の意見を求められることなどそうそうないので、面食らうのではないでしょうか。更に、当たり前ですが英語で全てがなされているため、そもそもどの話題について今議論がされており、意見を求められているかわからないことが多々あり、私もこの秋学期に、奥の手の笑って誤魔化したことが何度あったか定かではありません。これは日本にいる間は中々訓練することは難しいかとは思いますが、少なくとも意識だけは持って置いた方が良いかと思います。
さて、個別の授業について簡単に振り返ってみたいと思います。前述の通り、私の専攻はGRAPHIC DESIGNで 今学期に履修したクラスは下記のようになります。
今学期は、私は週8コマとりました。物理的には10コマまで取ることが可能ですが、精神的、体力的には自分には8が限界でした。蛇足ですが、恥ずかしながら過去の大学生活4 年間で机に向かった時間よりも多くの時間をこのセメスターで過ごしました。。
授業選択の基準としては、過去の留学生からの口コミや、レーティングサイト(ratemyprofessors.com)等を参考にしましたが、こればかりは主観も入るため、運とご縁じゃないでしょうか。
結論から言うと、授業の構成はよく練られ理論と実践がちょうどいい塩梅でミックスされており、私のように未経験で、短期で力を付けなければならない人間には最適なプログラムでした。但し、学期中は脳をフル回転させている必要がありますが。
①GRAPHIC DESIGN 1(週2コマ、4単位)
グラフィックデザイン全般について、週2コマを割いて基礎をみっちり叩き込みます。
ポスター、Invitation、Brochure、ちらし、名刺、ブックカバー、スマホのアプリ、Holiday card、本など多彩なプロジェクトを短、中期(1〜4週間)で並行して進めていきました。
②TYPOGRAPHY 1(週1コマ、2単位)
タイポグラフィーの基礎について学びます。初めの2回程度、座学的にタイポグラフィーの基本的知識を学んだ上で、実践(プロジェクト)を通じて理解を深めて行きました。
③PROCESS&SKILL(週1コマ、2単位)
その名の通りPROJECTの進め方について、1つのプロジェクトあたり3〜4週間かけて、プロトタイプ作成→フィードバック→修正→フィードバック・・・→ファイナルといった一連の流れを学びます。
④DIGITAL LAYOUT(週1コマ、2単位)
授業はWEBデザインをお題にして、ADOBE各必須アプリケーション(ILLUSTRATOR、PHOTOSHOP、INDESIGN)のスキル向上を図りました。
⑤DRAWING(週1コマ、2単位)
VANTANからAASプログラムに進む方は、既にVANTANにて取得済みの単位のため、必須ではありませんが、技術向上のため私は取得しました。
⑥ESL(週2コマ、3単位)
こちらは曲者なんですが、今年度からレギュレーションが変わったらしく、TOEFL79点以上取得していようが英語の使用に不自由なかろうが、全ての留学生はESLの取得が義務化されました(卒業のため6単位必要)。ESLのレベルは主に3段階あり、最初に受けるテストの結果により松竹梅のどれかに割り当てられます。厄介なことにそれぞれのレベルにより週のコマ数も異なる(松 週1、 竹 週2、梅 たしか週4)ため、PARSONS入学許可が下りた後でも出来る限り上のレベルになるよう英語学習の継続をお勧めします。
ESLを除いたどの授業も、基本的なクラスの構造は、前週に出された課題を持ち寄り、各学生が簡単なプレゼンを行った上で、先生・ クラスメートからCRITIC(講評)を受けるというものになります。英語が母国語でない我々にとって、このプレゼンとCRITICへの参加は大きなハードルとなります。事前に準備のできるプレゼンは何とかなりますが、即興的な要素が求められるCRITICへの参加は私もまだまだ十分と言えず、来学期への課題となります。
クラスメートについて言及すると、大体欧米人6〜7割、中南米1割、アジア2〜3割(インド含む)といったところでしょうか。男女比は1:9(または0.5:9.5)で、男子校・経済学部と男子比率の多い環境で過ごしてきた私にとっては中々適応の厳しい環境でした。。(ぶっちゃけまだ慣れてません)
そういった環境の中で振り返ってみると、日本人の武器の一つは勤勉さかなと思いました。授業に遅れない、宿題をしっかりやってくる、これら当たり前のことが当たり前のようにできるという意味では日本人は優秀かと思います(一部の学生は本当いい加減です、遅刻しているのに片手にスタバのコーヒー持ってます)。但し、語学的な問題もありますが、プレゼンテーション能力という意味ではやはり欧米の学生は一枚上手かなと個人的には思いました(宿題をやってこなくてもその場でイラスト描いて堂々と5分間力説している姿には軽くカルチャーショックを覚えました)。自分への自戒も込めて、今後はこちらの能力向上に努めていきたいと思いました。
我ながら硬い文章となりましたが、初回ということで勘弁してください。
次回は、英語をテーマにして今学期を振り返ってみたいと思います。