2013-12-30

1セメ終了!!/グラフィックデザイン学科専攻のNIREさん(VIP2013年卒)

とっても久しぶりのブログになってしまい、申し訳ないです!
あまりにも濃い日々だったので、もはや何を書いていいのかわからなくて混乱しています。

1セメスター終わって、「あと2セメスターで終わってしまうの!?もっと勉強しなきゃダメじゃん!」って気持ちと、「ほんとうに、よくがんばったなあ私、偉い!」という思いが、同じ地点で浮かんでいます。学期末のファイナルとよばれる期間は学校のラボが24時間オープンになっているので、週に3、4日は朝までそこにいる、みたいな生活をしていたんですが、どうにか乗り切り、クリスマスを健康体で迎えられて、今自分の体に一番感謝しています。





深夜2時頃のラボ。まだ人いっぱい、仲間がいるからなんとかがんばれる…。

が、ほんとうに、し、ん、ど、い…







前回の続きとして、まず残りの授業の紹介をします。そして次のブログで各クラスのファイナルについてまとめることにします。


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Drawing

この授業と次にあげるcolor theoryはvantanから行く人はtransfer credits できるので必須ではないのですが、drawingは全ての基本だし、自信がなかったので、自由選択扱いでとることにしました。
Thomas先生(私は勝手にトムちゃんと呼んでいた)はとてもユニークな先生で、基本的には授業中は技術的なことを教えてくれるんですが、平行して「で、キミの人生にとって大事なのは何なの!?」っていうあまりにも本質を問ってくる先生で、「私は何を大切にして生きているんだろう…」って沼にはまり最初のうちは迷子になっていたんですが(就活のときに味わった感覚…)、なんとなくそれをdrawingを介して見つけて、語っていくっていう作業を最後の1カ月半くらいはずっとしていました。(デザインっていうかファインアート)。あとおもしろかったのが、授業の最初に毎回2分間の瞑想タイムがあります。部屋を暗くして、今から集中して世界と対峙するぞ、と心を改める時間。先生の授業に対する姿勢の本気度も伝わってきます。今役に立つことだけじゃなくて、その人の人生において大切な「自分の視点」を意識させようとしています。
すんごい宿題も多いし(週にスケッチ80この時もあった…)、とても大変な授業だったんですが、他の授業と全く別のベクトルで私の学びに潤いを与えてくれました。


授業では、6、7割くらいは裸のモデルを描いていました。
それを、
・Value(明暗)にフォーカス
・面として捕らえる
・線として捕らえる
・動きに注目する
・その人の内面を感じながら描く
など、いろんな描き方をします。

















セメスターの最初→2カ月後までの経過。最初が下手だったせいで(笑)非常に上達して見えます。


ミッドターム以降はあとマテリアルも色々試すことで幅が広がりました。インクとwater colorとは仲良くなれた気がします。
他には空間の書き方(vanishing point/焦点)の練習、ギャラリー訪問もしました。








宿題は毎週20個のドローイングは必須+同じオブジェクトを時間を変えて20回書くdrawing(1秒から10分)、セルフポートレート、好きなものを集めてzineをつくるなど様々!

それとともに、最初から最後まで平行して「my story」というものを問われます。自分にとっておもしろいものは何か、大事なのものは何か、というもので、その作品がfinal projectになるので、また次のブログに書くことにします。とっても苦労しました…。


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Color Theory

カラーセオリーは最初waiverしようと思ったのを、とった方がいいよ〜と半ば無理矢理受講させられたのです。これもトムちゃんで、めっちゃ宿題多い(時には10時間近くかかる程…)大変なクラスではあったのですが、実際、色について、今、前よりずっと興味が湧いています。

最初はvantanでやっていたようなscientificな色の見方をお勉強。
オレンジの反対色は青、緑は赤…。緑に赤をちょっと混ぜていって黒っぽいニュートラルカラーを通り過ぎて、赤になる、というカラーパレットをつくる、など。
また雑誌から、反対色の組み合わせ、クラッシュカラーの組み合わせなど、抜き出してくる、とか、カラーの絵画を見ながら、それを白黒の明暗だけの画面に置き換える練習などしました(これはむずかったああ)。
そこから段々と色からカルチャーや歴史などを見て行きます。例えば、自分の先祖の国(私たちなら日本だけど、アメリカは歴史が浅いのでアメリカ人もイタリアやロシアやトルコなど様々なルーツがきちんと各自わかっている)の美術品から各自のカラーバレットを作ります。そしてそれをanalyzeしていく。不思議なことに自分の国の色は、とても自然に感じられてピンとくるのです…!
または現代アートにおける色の意味を、リーディングテキストを通じて掘り下げて行くといった作業もします。「白という色の絶対さ」みたいな概念に衝撃を受けたり。


色を勉強する、というより、色を体験しよう!がコンセプト。
なので実際にペイントをたくさんします。トムちゃんは簡単にやりますが、全然簡単じゃあない。。








これは色を重ねていって名画を再現するといった課題。セザンヌの絵の一部(上)を再現(下)しました。使っているピグメントは透明の絵の具といったもので、色を重ねることで、色の変化を体で覚えていくのです。











色はデザインの要素の中で一番emotionに関係していると言われているそうです。色に宿る精神は興味深く、また、世界のほとんどのことは色からanalyzeすることができるなあと気付きました。※たとえば年代別でポスターに使われている色を見て行くと、経済活動などの影響をすごくうけていることが分かる。不況になると実際色はdull darkになる、など。



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Typography


金曜日の1限目にして最もストレスフルだったのがこの授業。おかげで木曜日の平均睡眠時間は毎週2時間くらいでした。

プロジェクトの他に毎週「テキストを読んでそこから質問3つ作り、クエスションシートをつくる」、という宿題があります。そこには細かい決まりがあり、フォントはLatoしか使ってはダメ、サイズは8×10(わざわざレターサイズをカットしなきゃダメで面倒!)、2×2のグリットに沿っていなければだめ。その中でいかにクリエイティブなものを作れるか、がキーになります。最初は面白みのないシートを作ってましたが、セメスターの半ばからはレーザーカッターを使ったり、本形式、折ったり開いたりできるもの、など、皆工夫しておもしろいものがどんどん!クリエイティブなことをいっぱいしたい人にとっては、格好の場でした(が、とにかくかなりの負担)。


プロジェクト①/1つのレターシェイプを使って抽象的なデザインをつくる(4weeks)
くじ引きで1人1文字与えられます。私は『N』。NとNを解体したシェイプを使って、
blanced assymmetry, organic/ geometric,など5つの概念に沿うようなデザインを6×6インチ上に作る、という課題。言葉で説明してもわかりにくいですね…。

こういう感じになります。クリティークで先生の真意(このプロジェクトの意義)を、じっくり聞いて考える必要があります。このプロジェクトは私にとってはとてもハードで、そもそもレターシェイプを文字ではなくただの形としてelementとして使う、ということに最初はビックリ。文字の形の美しさや特徴、imageとしてのletterというものに気付きました。



プロジェクト②/5つの種類のロゴをつくる(5weeks)
"Buzz Engine"という会社のロゴを作る。ロゴはレターマーク、コンビネーションマークなど5種類、全てやってみる。まずはリサーチから入って、毎週10個くらい持って行っては何度も練り直し最終を提出します。



先生が言っていたことで印象的なのは「プロセスに沿うこと」と「どこかにwithout PCの要素を使うこと」でした。プロセスに沿うことで、予想を超えた見たことにないものが出来る(どこかで見たことがある、ものではないデザインになる)。またPCなしの作業、例えば写真をパーツ(orプロセスの中)で使ったり、インクで実際描いたものをスキャンして色として使うなどすることで、オリジナリティもでるし、生きたデザインになるということ。







プロセスに沿う、というのは他の先生もよく言うことですが、それがうまく行く時、本当に自分も予想してないものができあがって、びっくりします。
小説でも絵画でもgreatなものは「作品がひとり歩き」しだしたりしますが、デザインの世界でいうとそれはこういうプロセスに沿った、unexpectedなもののことかなと、思います。自分が作ったのだけど、自分が作ったとは思えない、それはまるでそうなるしかなかった運命でそうなった、というかんじの…。


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とりあえずこれが私が1セメで取っていた授業についての大まかな説明です。
思い出すだけでドッと疲れました。AASは特に2、3セメスターで終える人が多いので、超intenseな内容になっています。タイポの先生が「1年や1年半勉強しただけでグラフィックデザイナーになろうとしているなんて、バカな話だ!」って言ってたのも納得なんですが、まあそんな到底無理そうなことを真剣にやろうとする覇気が必要だとは思います。きっと人生においても変えがたく濃密な日々になるので。


では次はファイナルについてもまとめます〜。しばしお待ちを!
そしてHAPPY NEW YEAR! (私はNYでお餅を食べます)